2024年10月16日
“ STANDARD LIFE ” をコンセプトに、オリジナルブランド「 STUDIO ORIBE 」「JAMES & CO. STANDARD SHIRT」「DELICIOUS」の企画・生産・卸と、鎌倉で事務所+直営店舗「JAMES & CO. 」を運営しています。
メーカーとして、日本全国の工場さま、卸先さま、お客さま、関わる全ての人がハッピーになるようなモノ作りを25年続けています。
定番、それは偶然からはうまれない。
ジェームスアンドコーが目指すもの、それは定番と呼ばれる服を作ること。父親が息子に「大人になったら、これを着ろよ」と言えるような服。いつの時代でもぶれることのない服。ファッションの入り口でありながら、幾つになっても卒業しなくていい服。定番。地味な響きだが作りをする人間にとって、それは最高の栄誉なのだ。たとえば、この一枚のシャツ、ずっと同じデザインを貫いている。すべての素材は新潟・栃尾産のこだわりのオリジナル。そして福島・いわきのベテラン職人の手によって、一枚一枚縫い上げられる。何度も何度も修正を重ね、納得がいくまで妥協は許さない。ジェームスアンドコーの定番、それは必然から生まれる。
JAMES & CO.のものづくりについて、詳しくはこちらをご覧ください。
▶︎未来につなげていくものづくり
JAMES & CO.STANDARD LIFE STORE
鎌倉にあるオフィス兼実店舗です。遊びに来てください。
〒248-0014神奈川県鎌倉市由比ヶ浜1-10-9 2FOPEN 11:00 - 17:00 定休日 : 不定休(営業日はこちらをご覧ください)
※2023年10月6日に店舗・オフィスが移動しました。詳しくはこちらをご覧ください。
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2024年10月10日
この記事は新潟のフリーペーパー「BLUE BIRD VOLUME05」に掲載されたものです。
今やモノ・コト・情報のグローバル化・ボーダレス化により、世界のどこにいても誰でも欲しいものが手に入る。 日本はバブルの崩壊やファストファッションの台頭により消費不況や低価格化の波に呑まれ、製造業はコストの安さを求め、アジアへ生産の拠点を移した。現在、ファッションの世界では、安く、統一された、大量生産される商品の競争により、ファッションや生地生産の豊かな伝統は絶滅に近づいていると言われている。そんな中、日本では、いいものを作り続けようと、地に足をつけながら未来につなげていくものづくりをしている企業がある。 “未来につなげていくものづくり。”には、環境に配慮するだけでなく、技術の継承やパートナーシップなど、様々な視点への思いやりが欠かせない。互いに尊重し合うものづくりから生まれる「JAMES&CO.」のデイリーウェア。以前、VOLUME 02でJAMES新潟を紹介したが、今回はJAMES&CO.のものづくりの現場を訪ねた。
幸せへの循環のために。互いに尊重し合うものづくりからうまれる誠実さと心地よさを感じる日常着。
さりげなくオシャレな服。頑張りすぎず、毎日着たくなる服。そんなJAMES&CO.の服は、「色違いで揃えたい」「サイズ違いで揃えたい」「リピートしたい」など、一度着たらまた買いまめてしまう使い手が多い。
1985年にイギリスの古着を販売するにしてスタートしたJAMES新潟。1999年に代表の塩谷雅芳さんは東京でアパレルメーカー「STUDIO ORIBE』(以下、ORIBE)を立ち上げた。その後2009年より、拠点を銀倉に移し「JAMES&CO.」を設立。新たに社名を冠したシャツブランド『JAMES&CO. STANDARDSHIRT」や、塩谷さんの今の気分が反映された「DELICIOUS』を手がける。 JAMES&CO.の服はデザインはもちろん、着心地の良さや丈夫な作りに定評がある。服作りについて塩谷さんはこう話す。 「着やすさを大切にし、日常的に着たくなるものを作っています。ユニセックスで着られるか、また自分も欲しいけれど、スタッフも着たいと思うか、良いと思ってくれるかを意識しています。スタッフが理解していないとお客様にも薦められないですから」 塩谷さんが服を作る際の着想源は古着、そして周囲の観察。周囲を観察することで今を感じ、若い人、今のオシャレを楽しむ人のファッションを大人が着られるデザインに落とし込む。デザインをカタチにしてい<上で大切な要素となる素材は、もとめる表情を出すために質感にこだわる。高級素材だから良いとは限らない、同じデザインやパターンでも素材が違えば全く違うイメージになってしまうので、コンセプトを含めたデザインとの調種を考えて素材は選ばれている。 JAMESで服を買うと、ときどき作り手である服作りに携わった企業の話をしてくれる。他所ではデザイナーの話を聞くことはあるが、服作りに携わった企業の話を聞くことはまずない。それだけでJAMES&CO.は服作りに関わった企業と頼関係を築きながら服作りをされているということが伝わってくる。
全ての人がハッピーになるために
塩谷さんが服作りで大切にしていることは人とのつながりだ。生地やボタンを作る人、縫製やプレスに袋つめなどJAMES&CO.の服作りに関わってくれた人、仕入れて販売してくれる店、購入して大切に着てくれる使い手、全ての人がハッピーになれることを服づくりのベースとしている。 「まず生産に関わる全ての皆さんがハッピーになるために、顔の見えるお付き合いを心がけて、よく知るエ場に末長く安定的にお仕事をお願いしています。我々も工場も自分の仕事に責任を持ち合うこと、適正な工賃を払い、互いに無理をしないことが大切だと思っています」 ORIBEは、塩谷さんの服飾学校時代の同級生であり、現在、ORIBEのプロダクションマネージャーを務める鈴木さんの実家が営む縫製工場「第一被服」が、コストの安い海外生産に取って代わり仕事が無くなってしまったことから、第一設限を動かすために始められた。ブランドを始めてから10年間は毎シーズン、たくさんのアイテムを企画し生産していたが、新しいものを生み出す努力よりも、繰り返し着てもらえるようになえていく努力を大切にしようと、2009年から定番パンツ 5型だけに絞り、定番5型を時代に合わせて進化させている。 「売れない定番はいらないんです。お客様に支持されなければ定番ではありません。取引先である小売店にとって、無い在庫をしっかりフォローできて、売り上げを積み上げられるパンツでなければならないと思っています」 どんなに優れた機能性があったり、定番であっても、お客様に買ってもらえなければ商品の価値はない。塩谷さんがアイデアやデザインを納得のいくカタ手にするために大切にしていることは、購入して着てくれている人が周囲からさりげなくオシャレであると評価してもらえるようなグッドデザイン、目つグッドブライスであること。無駄に凝りすぎたデザインは製作上、作業工程を増やしてしまい工賃が上がり値段も上がる。JAMES&CO.では余計なデザインは削ぎ落とし適正価格で販売することで、2枚目3枚目とリピート購入してくれる商品を目指している。ただしシンプルなデザインの中にも、細かなディテールなどにJAMES&CO.らしさを盛り込むことは忘れていない。
アパレル業界には「川上から川下へ」という言葉がある。川上は服を作るための生地や糸など原料を生産したり調達する業種、川中は原料や材料から商品を作る業種、川下は商品を消費者に販売する業種を指す。 川上から川下への流れで、関わる全ての人たちの協力で一つの製品が完成する。 「どれ一つ駄目になっても良い商品は完成しない。でも生地や縫製に何の問題が無くても、企画やデザインが悪ければ売れません。そういう意味で企画デザインすることには、大きな責任を感じます」 取引先とは互いに支えあいながらやっているとの共通意識を持っているという塩谷さん。現在、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で物流が滞り、海外製品は納品に遅れが生じている。ファッションは納期の遅れは致命傷。JAMES&CO.では全て国内生産で、継続して同じ工場に依頼しているため、物流関係で納品が遅れる心配はなく、また安定したクオリティの商品の仕上がりにつながっているそうだ。 基本的にJAMES&CO.の服は一回作ったものを一回で終わらせることはない。その時の気分を含め、気になるところは来季に向けて少しずつ改良している。現在JAMES&CO.で使用している生地の中には、JAMES&CO.のためだけに開発された生地もある。一回だけで終わらせないのは、服作りに携わってくれた取引先の負担を減らすことも考えられているからだ。
今日よりも明日未来につなげていくための挑戦
塩谷さんが生地の製造で格別に信頼を寄せているのは栃尾にある1960年創業の「山信織物」だ。山々に囲まれ、近くには西谷川が流れる自然豊かな場所に山倉織物の工場はある。JAMES&CO.のシャツは山織物の生地をメインに使用。代表作「Pijol」は糸を撚り合わせた双糸で織られた生地で作られており、質実剛健、いつでも頼りになるボタンダウンシャツとなっている。近年、正装がカジュアル化していく中で、襟を正す意味でも最低限必要なアイテムがシャツであり、着てくれているお客様にとっても、JAMES&CO.というブランドにとっても、名刺がわりになるのがPujolのシャツ。息子にこれ着とけと薦められるシャツでありたいとの思いを込めて作られている。
山信織物の製品開発を担う西片さんは、もともとはJAMESの新潟と長岡両店に足繁く通うお客様だった。西片さんが(糸を織って生地にする)機屋と知り、生地の製造を依頼することになった。
生地は経糸に緯糸を通して織られる。纖機で織るにはまず経糸と緯糸の準備が必要。仕上がりが綺麗で丈夫な生地を織るには初段階の糸の準備から手を抜くことはできない。糸をボビンに巻きつける時に綺麗に巻かれていないと織る時にたわみが出てしまうからだ。
そのため、機械の性能がいくら良くても職人の目と手は欠かせない。山居織物では、生地の特性に合わせて最新の機械と昔から使い続けている機械を使い分け、効率と仕上がりのクオリティを高めている。
山信織物は天然繊維と合成繊維の両方を扱い、商品の80%を占める(糸から染色を行い製織していく)先
染め織物を得意としている。結紬生産地の栃尾において、縞細の生産技術を縫意しながらも天然繊維、合成繊維にとらわれることなく、あらゆる素材に対応し、新しい素材に挑戦し続けている。
「天然繊維、合成繊維にとらわれることなく、あらゆる素材に対応するというと聞こえがいいですが、言い方を変えると特徴のない産地、機屋とも言えます。日本各地にウールや綿、シルクなどの有名な産地がありますが、新潟の繊維産業や自社は何が得意で特徴なのかといつも考えています。時代に応じて変化していくこと、今日よりも明日できることを増やすこと、自社はもちろん、仕入先様にも一緒にチャレンジしてもらって、お客様の役に立てる商品開発をすることが会社の存続につながると思っています」(西片さん)
新しい生地の開発に余念のない西片さん。他所との違いを出すために、栃尾産地に伝わる技術を牛かし、
各素材に加工を施す特徴的なテキスタイルを生みだしている。常に新しい生地を開発する西片さんの姿勢に敬服している塩谷さんは、そんな西片さんの生地だからこそ使いたいという。西片さんが開発した生地は、国内のみならず、海外の有名なメゾンでも取り扱われるなど高い評価を得ている。しかし西片さんはそれに傲ることはない。
「メイド・イン・ジャパンは生地においても海外から高い評価を得ています。日本はクオリティの高い生地を作っている機屋が多いので、日本人に向けて真面目にやっていれば自ずと海外の人が評価してくれます。
ただいいものを作り続けるだけです」(西片さん)
西片さんは生地を見て触れるだけで、どんな糸を使い、どのように織られているか読み取ることができる。だから塩谷さんが生地の製造を依頼する際は、西片さんにサンプルを見せるだけでいい。生地の開発は、時に2年にわたる場合もあり、また完成しても商品化できずに終わる場合もあるという。そのため、塩谷さんは1シーズンで終わらせないように、継続性のある生地を依頼したいと考えている。
「塩谷さんは一度開発した商品を良く使ってくださいます。定番として服を着てくださる方も、きっとできる限り長く着てくださると思います。だから塩谷さんから依頼された生地は丈夫で経年劣化で寄れないように心がけて作っています。ものを作る際は、互いに相手を思いやりながら、歩み寄ることが大切だと思っています」(西片さん)
アパレル業界では、未来につなげていく従事者が少なく、人手不足の問題を抱えている。山.織物も例外ではない。技術の習得は今日やって明日からというわけにはいかない。日々の成長が大切となる。そのため、山.織物では社員の成長と頼に重きをおき、互いにコミュニケーションをとり効率よく仕事を進めること、熟練技術者と楽しく仕事ができるように働きやすい環境づくりを心がけているそうだ。
現在、世の中は様々な問題を抱えており、1年後でさえも先が見えにくくなっている。そんな中、今年37周年を迎えるJAMES新潟。10年後はどうなっていたいかを塩谷さんに聞いてみたところ、「10年後は47周年ですので、50周年に向けてスタッフ皆んなが、まだ新しい夢のある未来がみられる会社でいられたらいいですね」と語ってくれた。
全ての人がハッピーになれることがベースとなって生まれるJAMES&CO.の服。JAMES&CO.はこれから先も新しい夢を携えて未来へつながっていくことだろう...
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2021年1月1日
この記事はカマクラを楽しむためのフリーペーパー「KAMAKURA」の2013年vol.8号に掲載されたものを転載したものです。商品の価格や仕様など今とは異なります。予めご了承ください。
定番、それは偶然からはうまれない。
ジェームスアンドコーが目指すもの、それは定番と呼ばれる服を作ること。父親が息子に「大人になったら、これを着ろよ」と言えるような服。いつの時代でもぶれることのない服。ファッションの入り口でありながら、幾つになっても卒業しなくていい服。定番。地味な響きだが作りをする人間にとって、それは最高の栄誉なのだ。たとえば、この一枚のシャツ。5年前に誕生して以来、同じデザインを貫いている。すべての素材は新潟・栃尾産のこだわりのオリジナル。そして福島・いわきのベテラン職人の手によって、一枚一枚縫い上げられる。何度も何度も修正を重ね、納得がいくまで妥協は許さない。ジェームスアンドコーの定番、それは必然から生まれる。
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