リブパンツから見えてくるSTUDIO ORIBE、JAMES & CO.が目指すものづくり -Vol.2-

リブパンツから見えてくるSTUDIO ORIBE、JAMES & CO.が目指すものづくり -Vol.2-

STUDIO ORIBE10周年。定番5型にリブランディング

-リブパンの販売を続けること7年、スタジオオリベが10周年を迎えたタイミングでリブランディングをして大きな変革があったと思います。その当時についても少しお話しが伺えればと思います。

塩谷1999年に鈴木と東京でスタジオオリベをスタートして、おかげさまで調子よく10年やらせていただいてましたが、丸10年を一つの境に一緒にやってたチームを解散しました。

-スタジオオリベは1度解散してるんですね。

塩谷:解散するときに、完全にスタジオオリベが終わっちゃうのはちょっと残念だなっていう思いがあって。最初の10年間のスタジオオリベは、自分たちの着たいものを毎シーズンどんどん作っていました。

解散して、これからどうしようと思ったときに、今までと同じようにまた新しいものをどんどん作るのではなく、後半ずっと作り続けてた商品だけを残して、定番5型だけを進化させながら作り続けるブランドにしようと決めました。

その当時、売れ続けていたパンツに、Lポケットパンツとか、8ポケットパンツがあったんですが、その中にリブパンツもあって、定番5型の中のひとつにリブパンツが残りました。

-それは大きな変化ですね。取引のあったお店の方も驚いたのではないでしょうか。

塩谷:そうですね。それで、このコンセプトを自分の言葉で伝えたくて、経緯や思いをまとめた「オリベの定番のこと。」という冊子を作って、この本とオリベの定番5型を持って、全国の取引先様を回りました。

当時まだバブルを引きずっている頃で、アパレル業界はどんどん新しいものを作って、売れ残ったらセールになって、また新しいものを作って・・という提案の仕方が常識でした。

でもそうじゃなくて、一度買った人が、また2枚目、色違いを買いに来てくれるような、そういう商売をやっていきましょう、我々の定番はこれです、この商品を作り続けます、というコンセプトを各店に伝えて回りました。

-塩谷さん自ら全国を回ったんですね。その後のオリベはどうなったのでしょうか?

塩谷:たった5型にしたことによって、その5型を改めてみんなが見つめ直してくれて、たくさんの品番を作ってた頃よりも、残った5型はすごくよく売れましたね。

お取引先さまへの提案としても、「10本仕入れして何本売れた?」じゃなくて、「10本仕入れして、さらに追加発注して、追加で売って・・・シーズが終わったら、50本売れてました」っていう商売をしましょうっていう、提案をしてました。

リブパンツも、穿きやすさとか、オリジナリティとか、そういうことを改めてみんなに再発見してもらって、たくさんの品番を作っている時よりさらに好評でした。

-その当時のスタジオオリベと今のスタジオオリベと何か変わったことはありますか?

塩谷:その当時の定番はまだ、全体的に細いシルエットのパンツがほとんどでした。Lポケットパンツもそうですし、当時の8ポケ、Dカンパンツ、そしてリブパンツも、みんな細かったんですよ。

それから徐々に、世の中的にリラックスしたもの、オーバーサイズものが流行ってきて、みんなワイドなシルエットのパンツを穿くようになってきました。ファッションが全体的にゆるくなっていく中、オリベのパンツたちも少しずつ、今もあるようなワイドのバージョンを出していくことになります。

-Vol.3-に続く

●インタビューの様子はYouTubeでもご覧いただけます。
https://youtu.be/Zjdp6xa_SgA